モラハラ

モラハラ夫の成れの果て…【10話】

 

フク

「もちろんです。

急ぐ必要はありません。

ゆっくり考えてくださいね」

 

帰り際、フク弁護士が優しく

私の肩に手を置いた。

その温もりに、不思議と勇気が

湧いてくるのを感じた。

 

探偵…か。

 

新しい選択肢を得て、

私の心は

複雑な思いで揺れていた。

 

フク弁護士とカツベ弁護士の

説明を聞いているうちに、

探偵サービスの詳細が

明らかになっていった。

 

フク

「ジロウさんの

探偵事務所は、かなりの

腕利きなんですよ。

我々の弁護士事務所とも

提携関係を結んでいて…」

 

イチロウ

「両方同時に

契約していただくと、

割引の実施しているんですよ」

 

私は聞き入った。正直、資金に

余裕があるとは言えない

私にとって、これ以上ないほど

好条件だった。

 

「それは…

ありがたいお話ですね」

 

イチロウ先生は即座に電話で

ジロウさんを呼び出した。

 

イチロウ

「ちょっと

来てくれないか。

相談したいことがあるんだ」

 

数分後、ジロウさんが

部屋に入ってきた。

 

ジロウ

「改めまして、

カツベ ジロウです。

キヌ子さんのお力になれれば」

 

事情説明の後、契約は

スムーズに成立。

私は少し緊張しながらも、

新たな一歩を

踏み出した気がした。

 

数週間後、ジロウさんから

調査結果の報告があった。

 

ジロウ

「キヌ子さん、

調査結果をご報告します」

 

彼は丁寧に写真を並べながら

説明を始めた。