フク
「もちろんです。
急ぐ必要はありません。
ゆっくり考えてくださいね」
帰り際、フク弁護士が優しく
私の肩に手を置いた。
その温もりに、不思議と勇気が
湧いてくるのを感じた。
探偵…か。
新しい選択肢を得て、
私の心は
複雑な思いで揺れていた。
フク弁護士とカツベ弁護士の
説明を聞いているうちに、
探偵サービスの詳細が
明らかになっていった。
フク
「ジロウさんの
探偵事務所は、かなりの
腕利きなんですよ。
我々の弁護士事務所とも
提携関係を結んでいて…」
イチロウ
「両方同時に
契約していただくと、
割引の実施しているんですよ」
私は聞き入った。正直、資金に
余裕があるとは言えない
私にとって、これ以上ないほどの
好条件だった。
私
「それは…
ありがたいお話ですね」
イチロウ先生は即座に電話で
ジロウさんを呼び出した。
イチロウ
「ちょっと
来てくれないか。
相談したいことがあるんだ」
数分後、ジロウさんが
部屋に入ってきた。
ジロウ
「改めまして、
カツベ ジロウです。
キヌ子さんのお力になれれば」
事情説明の後、契約は
スムーズに成立。
私は少し緊張しながらも、
新たな一歩を
踏み出した気がした。
数週間後、ジロウさんから
調査結果の報告があった。
ジロウ
「キヌ子さん、
調査結果をご報告します」
彼は丁寧に写真を並べながら
説明を始めた。