モラハラ

モラハラ夫の成れの果て…【3話】

 

子どもが生まれれば

変わるかもしれない。

そんな淡い期待を抱いていた。

しかし、現実は残酷だった。

 

2歳になる我が子を

前にしても、ヒュウガの行動は

変わらない。

相変わらずの浮気、

相変わらずの暴言。

 

そして、

ほとんど家にいない日々。

仕事が忙しいという口実で、

夜遅くまで帰ってこない。

ある日、

勇気を出して尋ねてみた。

 

「子どものためにも…

少しは家にいてくれない?」

 

「はぁ?お前らは、

俺が稼いできた金で

生活してんだろ?

 

文句言える立場かよ!!」

 

返ってきた言葉に、私はただ

黙って俯くしかなかった。

子どもの泣き声が聞こえ、

私は急いで

子ども部屋へ向かう。

 

我が子を胸に抱きしめながら、

この状況から

どう抜け出せばいいのか…

またため息をつくのだった。

 

「息子を

片親にしてはいけない」

「父親は息子の成長に

欠かせない存在だ」

 

そんな考えが、私の現状からの

脱出を躊躇わせていた。

 

一方で、夫の姿を見るたびに

疑問が膨らむ。

直接的な暴力こそないものの、

些細なことで怒鳴り散らし、

物に八つ当たりする父親。

 

「こんな父親が本当に息子に

とって良いのだろうか」

 

この葛藤が、

日々私を苦しめていた。

 

正直なところ、

ずっとずっと決断を

先延ばしにしてきた。

 

「離婚するにしても、もう少し

息子が大きくなってから」

「それまでは私が我慢すれば、

なんとかなるはず」

 

そう自分に言い聞かせながら、

現実から

目を逸らし続けていた。