そこまでは、
まあ、ありがちな話だ。
マホ
「私、サトシさんに言われて
毎月5万円を結婚資金として
渡していたんです。
カフェのバイトですから
毎月の収入は13~14万程度です。
カツカツでしたけど、
サトシさんとの
将来のためならって
頑張っていたんですけど…」
そこまで言うと、
また目に涙が溜まっていった。
マホ
「知らなかった、
なんて言い訳になりません。
でも、申し訳ありませんでした。
奥様が
いらっしゃる方とだなんて。
一度には無理ですけど、
慰謝料もお支払いします。
本当に…」
私はマホに対して怒りは
もう1ミリも感じていなかった。
ただ、夫が彼女から結婚資金を
巻き上げていた、という点に
引っかかりを覚えた。
あ!まさか…。
私
「辛いことを聞くようで
ごめんなさいね。
その結婚資金を
貯めているという口座、
通帳で確認したことはある?」
マホ
「え…いいえ。ありません」
私
「それじゃ、夫がパチスロに
入り浸っているってことは
知ってる?」
マホ
「いいえ!初耳です」
私
「気の毒だけど、
そのお金はもうあの人の
手元にないと思うわ」
私は夫の経済状況を義両親から
援助を受けていることを含めて
ザックリと説明した。
私
「たぶん、あなたが頑張って
夫に渡していたお金も、
ギャンブルにほとんど
消えてしまっているでしょうね」
マホは堪えきれなかったのか、
さめざめと泣きだした。