浮気

帰宅後、間女にばったり会ったので最高の笑顔でおもてなししてみた【10】

 

マホ

「申し訳ありません。

私、奥様が

いらっしゃったなんて

知らなくて…。

サトシさんからは独身で、

同居しているのは

お姉さんだと

聞いていました。

なんとお詫びをしてよいか…。

本当に申し訳ありませんでした」

 

「デタラメだ!

俺はこの女に脅されていたんだ!

付き合わないとお前に危害を

加えるって!

俺はお前を守るために

必死だったんだ!本当だ!」

 

殊勝な態度で謝罪し、

涙を流すマホと

意味不明な言い訳を喚く夫。

この状況でどちらを信じるか…

…マホだ!

この子は

悪い子じゃなさそうって

第一印象もあったからね。

少し可哀想に思えた。

 

少し可哀想に思えた。

なおも戯言をぶちまける夫を

シカトし、

私はマホに声をかけた。

 

「ねぇ、場所を変えて

少しお話しない?」

 

私はできるだけ

優しく聞こえるように心掛けた。

マホは怯えたような目を

していたが、土壇場で責任を

全て彼女に擦り付けようとした

夫と一緒にいるのが

嫌だったのだろう、

小さく頷いた。

 

 

「じゃ。出かけてくる。」

 

 

「おい!どうして

俺抜きなんだよ?

3人で話し合うべきだろ?」

 

 

「アンタがいると

絶対に話が進まない。

家にいてよ」