マホ
「申し訳ありません。
私、奥様が
いらっしゃったなんて
知らなくて…。
サトシさんからは独身で、
同居しているのは
お姉さんだと
聞いていました。
なんとお詫びをしてよいか…。
本当に申し訳ありませんでした」
夫
「デタラメだ!
俺はこの女に脅されていたんだ!
付き合わないとお前に危害を
加えるって!
俺はお前を守るために
必死だったんだ!本当だ!」
殊勝な態度で謝罪し、
涙を流すマホと
意味不明な言い訳を喚く夫。
この状況でどちらを信じるか…
…マホだ!
この子は
悪い子じゃなさそうって
第一印象もあったからね。
少し可哀想に思えた。
少し可哀想に思えた。
なおも戯言をぶちまける夫を
シカトし、
私はマホに声をかけた。
私
「ねぇ、場所を変えて
少しお話しない?」
私はできるだけ
優しく聞こえるように心掛けた。
マホは怯えたような目を
していたが、土壇場で責任を
全て彼女に擦り付けようとした
夫と一緒にいるのが
嫌だったのだろう、
小さく頷いた。
私
「じゃ。出かけてくる。」
夫
「おい!どうして
俺抜きなんだよ?
3人で話し合うべきだろ?」
私
「アンタがいると
絶対に話が進まない。
家にいてよ」