浮気

帰宅後、間女にばったり会ったので最高の笑顔でおもてなししてみた【9】

 

そうこうしているうちに、

ようやく私がいることに

気づいたのか、寝室で二人が

動いた気配がした。

 

 

「なにしてるの!?

ごはん、もうすぐだから

こっちに来なよ!」

 

大きめの声で叫ぶように言うと、

観念したのかのそりのそりと

二人が姿を現した。

 

 

「はじめまして!

いつも夫が

お世話になっています。

今夜は私が

腕を振るいましたので、どうぞ

ゆっくり味わってくださいね!」

 

 

と満面の笑みで言ってやった。

2人は顔面蒼白のまま黙っている。

マホの方

は震えているようだった。

 

 

「どうしたの?カレー、

二人とも好きだったよね?

私知ってるもの。

さぁさぁ、冷めないうちに

いただきましょう!」

 

と追い打ちを掛けると、

夫が突然喚きだした。

「誤解だ!俺は

浮気なんてしていない!

この女に騙されただけなんだ!

ずっとそばにいたお前なら

わかるだろ!

なあ、信じてくれよ」

 

暴露乙。

マホの方は夫の言い分に

目を驚きの表情を浮かべ、

目からポロポロと

涙をこぼし始めた。