浮気

帰宅後、間女にばったり会ったので最高の笑顔でおもてなししてみた【5】

 

「マホが作ると

何でも美味しいよ。

姉貴と俺じゃ、好みの味が

違うみたいでさ。

たまに新作の実験台に

されて参るよ。この前も平気で

失敗作を出してきたから、

頭にきて怒鳴りつけてやったw」

 

マホ

「お姉さん、仕事もして

料理もしてくれるんでしょ?

そんな風に言ったら悪いわ。

少し多めに作っておくから、

もしよかったら

お姉さんにも食べてもらって」

 

 

私の料理をずっと

好みじゃないと思っていたのか、

私の方が年下なのに

「姉」扱いか、ふ~ん…。

頭の中がすぅっと

冷えていく感覚を覚えた。

それと同時に、マホって子が

そんなに悪い子では

ないような気もしてきた。

本当に「姉」を気遣っている

声色だったからだ。もしかして、

この子も夫に騙されているのでは

ないだろうか。

 

私はここで乗り込んでも事態を

混乱させるだけだと判断し

こっそりと家を出た。

その日の夜は適当な

ビジネスホテルに泊まった。

翌日、仕事は元々休みだったので

ホテルをチェックアウトすると

すぐにネットで探した

興信所に向かった。

 

興信所職員

「浮気の素行調査ですと、

少しお時間を

いただくことになります。

お辛いでしょうが、

耐えてください」

「どうぞよろしく

お願いいたします」

 

調査依頼を

済ませた私は、帰宅した。

家に着くともう

正午近くなっていた。玄関に

女物の靴は既になかったが、

決定的な瞬間を見るのが怖くて

恐る恐る寝室を覗いた。