浮気

帰宅後、間女にばったり会ったので最高の笑顔でおもてなししてみた【4】

 

どうしようかと考えつつ、

私はそのままコーヒーを

堪能して店を後にした。

モヤモヤを晴らしたくて

寄り道をしながら帰ったら、

20時を回ってしまっていた。

まあいいか。

家にあるものでサッとカレーか

焼きそばでも作れば…

そう思って玄関を開けると、

夫の靴と見たことのない

女性物の靴がある。

サイズもデザインの好みも、

明らかに私とは違う。

これは…と思って息をひそめて

私は家の中へ進む。

リビングのドアから声が

聞こえてきた。

テレビの音ではない。

夫と聞き覚えのない女性の声だ。

 

「どう?気に入った?

結構奮発したんだよ」

 

マホ

「わぁ!これ、前から

私が欲しいっていってた指輪!

嬉しい!ありがとう」

 

「未来の奥さんに

プレゼントだよ」

 

マホ

「え…。それって」

 

「今すぐとはいかないけれど、

俺と結婚してください」

 

マホ

「はいッ!私も

サトシさんのこと、愛してます」

 

おいおい、

妻と暮らしている家で別の女に

プロポーズかよ。

ショックを受けながら

更に会話を盗み聞きする。

自分の家なのに

コソコソしてるのおかしくない?

と思いながら。

 

「この家は姉貴と

暮らしてるから、君を呼び寄せる

わけにもいかないんだよな」

 

マホ

「それじゃあ、新しい物件を

不動産屋さんで探そうか?

焦らなくてもいいと思うけど。

それより、

今日は簡単なものでいい?」