私
「オーナー、私、頑張ります!
短い間でしたが、あちらで
学んだことを活かしていきます。
今後ともよろしくお願いします!」
オーナー
「うむ。こちらとしても
よろしく頼むよ。
で、さっそくなのだが新しい店舗の
オープンと、既存店舗のテコ入れに
ついて任せたいんだが…」
夫
「親父、トウ子にいきなり
そんなことを任せるのか!?
大体、俺は息子だぞ!?
なんで俺を差し置いて、
トウ子にそんな責任ある
仕事を任せるんだ!?」
オーナー
「お前では無理だと
判断したからだ。
お前に跡を継がせる気も
さらさらない。
大事なのはうちのグループの
クオリティを向上させることで
あって、血縁じゃない」
夫
「う、嘘だァアアアア!
うわああああああ!」
キホ
「え?ヤスタカさんが
ちゃんと仕事ができる人なら、
私はオーナー夫人に
なれたってことなの!?
あんまりよ!!!」
夫は頭を抱えて蹲り、
キホは両手
で顔を覆って泣き出した。
従業員1
「トウ子さん、
また一緒に働けるんですか!?」
従業員2
「俺、トウ子さんの下で
働けるのなら、何でもします!」
従業員3
「信じてました、
信じてたっす!
トウ子さん、お帰りなさい!」
放心状態の夫とキホをよそに、
元気いっぱいに入って来たのは
従業員たちだった。