途方に暮れる夫、
右往左往する従業員たち。
私
「退職は来月付で
かまわないでしょ?
1ヵ月あれば法的にも有効だし。
これからは私、
有給消化に入るから。」
従業員1
「ま、待ってください!
トウ子さん、落ち着きましょう!」
従業員2
「大変だ、大変だ!」
従業員3
「店長、なんとしても
トウ子さんを引き留めてください!
このままだと店が持ちません!」
私
「みんな、本当にごめんね。
でも私、夫と不倫相手と
同じ職場にこれ以上いるなんて
耐えられないんだ」
私はそう言い逃げして、
店を後にした。
扉の向こうから戸惑う声、
夫を糾弾する声などが聞こえる。
私はすぐに荷物をまとめて一度
ビジネスホテルにチェックイン。
その後、
マンスリーマンションを契約し、
ライバル店の採用面接に臨んだ。
そして驚くほどアッサリと
採用されてしまった。
やはり同業種で
仕事をした経験があると、
採用する側も
安心するのかもしれない。
こうして私はライバル店舗で
新人として働くことになった。