うつらうつらしていたと思ったら、
既に出勤時間ギリギリ。
夫は私に声も掛けず、
さっさと店に出たようだ。
遅刻ギリギリで到着すると、
私以外のメンバーは
既に揃っていた。
業務前にミーティングに
入るタイミングで、
夫
「おはよう。
今日はギリギリだな。
5分前行動ができないと
社会人失格だぞ~」
と、何気ない様子で
声を掛けてくる夫。
昨日の浮気バレなんても何とも
思っていないのが丸わかりだ。
私はそんな夫の目を
まっすぐ見ながら、
私
「はい。これ」
と、封書を押し付けた。
表書きは「辞表」
夫
「辞表!?」
従業員たち
「な、なんだってー!?」
私
「そうです。
私、ここを退職します」
夫
「退職って…。
今後の宛もないのに」
私
「ライバル店がちょうど
人員募集をしているので、
そこに応募します」
従業員たち
「なー!?!?!?!」