これには古株の他の
従業員たちも呆れ顔。
私もムッとしたけれど、
ここで物申すのも職場の空気に
悪影響だと思って堪えていた。
夫の行動は日に日に
わかりやすくなっていった。
あからさまだと思ったのは、
キホと同じ日に休みを入れること。
うちの店は週に1回の
定休日があるけれど、
土日祝は普通に
オープンしているので、
従業員の休みはシフト制。
毎月下旬に希望日を提出するが、
夫はキホの予定を確認してから
自分の休みを取っていた。
私
「この日は一緒に常連さんへの
贈り物を選びに行こう」
夫
「ああ、そうだな。
もうそんな時期か」
こんなやり取りをして、
私の方が先に夫との約束を
押さえていても、
キホの休日に合わせてしまう。
休日の過ごし方にも変化があった。
それまでは休みの日は家で
ダラダラと過ごすことが
大半だったのが、キホと休みを
合わせるようになってからは
午前中に身支度を整え、
深夜近くまで帰ってこない。
どう考えても
キホと会っているのだが、
私はデートで食事程度なら
大目に見ようと思っていた。
休みの日も仕事の日も、
四六時中妻である私と顔を
合わせっぱなしと言うのも
夫の息が詰まると思ったからだ。