私はトウ子。34歳。
4歳年上の夫(ヤスタカ)と
一緒にレストランを
切り盛りしていた。
夫が店長を務めるレストランは、
所謂高級店と言われる部類のもの。
私達が住んでいる地域では
有名なオーナーシェフが
第4号店としてオープンさせた店だ。
ちなみに、最も新しいのは
1年前にオープンした5号店。
夫は元々オーナーシェフの店で
働いていた。
4年前に新規店舗を
オープンするにあたり、その店長と
して白羽の矢が当たったのだ。
当時の私は飲食業とは関係のない
業界で会社員をしていた。
当時の私達は
まだ籍を入れておらず、
恋人同士の関係。
新規店舗の店長を任されることに
なった夫は、様々な準備で大忙し。
また、希望と不安の両方を抱えて、
少し落ち着かなくなっていた。
私はそんな夫を見兼ねて、
こう提案した。
私
「ねえ、ヤスタカ。
私も一緒に新しいお店で働くよ。
一緒に良いお店にしよう!」
夫
「え…?本当?求人の採用も
どうしていいか
よくわからなかったけど、
一緒にトウ子が働いてくれるなら、
こんなに心強いことはないよ!
なら、いっそのこと、
もう結婚しよう!」
提案したらプロポーズを
されていた。
ただ、オープン前後の
忙しい時期だったのもあって、
私たちの結婚式は店舗オープンから
ちょうど1年後、オープン記念日に
合わせて行った。