私
「シュウジ!?
プロポーズしてくれた時の
話はどうなったの?
というか、私はシュウジの
実家について何も聞かされ
ていなかったんだけど。
結婚しちゃえば
こっちのもの、
とでも思ってたの?」
彼を問い詰めた。
さらに板挟みが深まって、
シュウジは困り
果てた顔をしていたっけ。
結局この日は、
話し合いに見せかけて
実は怒鳴り合いという
状態に飽きたのか、
お手上げになったのか、
義父が間に入り
義父
「二人とも、
落ち着いて。
トウ子さんは、
うちの事情を
良く分かっていない
みたいだから、まずは
シュウジと話し合って」
何となく仲裁したような
恰好をつけ、
お開きにした。
でも、シュウジとの
しっかりした話し合いは
今日に至るまで一度も
行われなかった。
義母も、私を家業手伝いと
して扱う事を全く
諦める様子を
見せなかった。
この話は、折につけ
蒸し返されたが、
そのたびに私と義母が
衝突し、お互い譲らず、
また次の機会にという
先送りを
繰り返すことになる。
私も、けっこう気が
強いほうで、義母の
理不尽な要求に
屈服してなるものかと
固く決意していた。