夫
「…母さん?
こんな時間にどうした?」
キヌ子
「繋がって良かった」
私はわざと他人行儀な
口調で言った。
夫は素っ頓狂な声を出した。
夫
「は⁉︎ えっ⁉︎
何?キヌ子⁉︎」
キヌ子
「不倫中にごめんね。
カケルが家に
入れないから、
出ていってくれる?」
夫
「え!? は?
ふ、ふり、不倫!!??
いやおまえ、
な、何言ってるんだ。
お、俺はそのう…
…仕事だぞ、仕事。
時間を考えろよ、
まだ昼だ。
仕事してるに決まってる」
さらに、かみまくりの
無様な弁解も。
情けなくて、
聞いていられない。