キヌ子
「いいから!!
さっさと出て行って。
カケルが
急に体調を崩したの。
学校を早退して
帰ったら、
家に入れないんだって
言うの。
チェーンロックが
かかってるって!」
夫
「チェーンロック!?
俺…そんなの…
かけてない……」
ついに自白した。
もう、私の怒りは
頂点に達しつつある。
このご時世で、
発熱している息子を、
義実家に
置いておくわけにも
いかない。
どうしても家に
連れて帰って、
休ませてあげたい。
その一心で、
私は深呼吸して息を整えると
キヌ子
「いい加減に
しなさいよ!!
この不倫男が! !
私には、丸見えなの!
あんたと
若い茶髪の子が、ソファで
よろしくやってる
ひどい有様。
ばっちりスマホに
映ってるわ!」