浮気

体調不良で早退した息子、締め出したのは単身赴任中の夫だった 【2話】

 

5回もしつこくコールして、

やっと夫につながった時

 

キヌ子

「何やってたのよ!?」

 

私は少し語気を

荒くしていた。

夫も、むっとしたようだ。

 

「そんなに暇じゃねえよ」

 

いらついているのが

丸わかりな反応で、

私達は会話が始まる前から

険悪ムードに陥った。

 

キヌ子

「急ぎの場合も

あるんだから、

電話には早く反応してよ」

 

「そうまで言うなら、

よっぽどの

緊急事態なんだろうな?

早く本題に入れよ」

 

夫もつっけんどんに

返答した。

何だろう。

この頃の私達は、

あまり平和的な関係

ではない気がする。

 

キヌ子

「何で

スタンプだけなの?

あれじゃ、詳しい事情は

分からないわよ。

カケルに説明できないわ」

 

「そんな話か。

緊急でも何でもないじゃん」

 

夫は不機嫌に言い放った。

 

「遊びに

行ってるんじゃねえんだよ。

カケルだって小6だろ?

仕事だって分かる

年齢だろうが!!」

 

キヌ子

「だから!

理由をちゃんと

文章にしてって言ってるの。

スタンプで終わらせないで」

 

「そのくらい

機転を利かせろよな。

仕事で忙しい以外に理由

なんかないんだからよ!!」

 

なんとなく、会話が

かみ合っていない気がする。

私が求めているのは

コミュニケーション

なのだけど、夫は

そう思っていないようだ。

私の話し方も悪かった。