浮気

夫からの望み通りにした結果 【4話】

 

「うーん、ちょっと寝付けなくてさ」

 

と夫は渋っていた。

遠足前の子供がワクワクする

心理と同じなのだろうか。

 

夫はそんなにも

浮気相手と旅行に出向くのが

楽しみで仕方ないのか…。

 

「私がちゃんと起こしてあげるから、
 
心配しなくていいよ」

 

私は少し強めのウィスキーを

夫に進め、飲ませた。

 

夫は美味しそうにグラスを開けると、

やがてスコーンと眠りに落ちた。

 

夫はお酒が好きだが弱く、

飲むと爆睡してしまうのは

よく知っている。

伊達に大学時代からの付き合いではない。

私はそれを利用させてもらった。

 

私はグッスリ眠る夫のスマホから、

何か手掛かりはないかと

LINEのやりとりを遡って確認していった。

 

夫のスマホのロックは

自分の生年月日という極めて

単純な暗証番号だったため、

難なくクリアした。

 

LINEのやりとりは主に

取引先の女性としているようであったが、

所謂イチャラブな

やり取りは見つからない。

 

恐らく、怪しそうなものは

消しているのだろう。

 

しかし、スマホのチェック中に

 

浮気相手

「明日からの旅行、楽しみだね」

 

というメッセージが入った。

その直後にある文言も。

これは、もう確定だろう。