ケンジ
「せっかくこんな
いい所に住めたんだ!
手放してたまるかよ!
俺の名義に変えろ!!!」
私
「なぜ?…嫌よ。
何であなたたちに
あげなきゃいけないの?」
このまま
何を言っても埒が開かない…
無言で電話を切り
ついでに電源も落とした。
実は、今住んでいる
マンションは父の所有物件で
20歳の誕生日に
プレゼント
してもらっていた。
私はケンジよりも
稼ぎが良く、パソコン1つ
あればどこでもできる仕事。
ヒロトや私を
ないがしろにし、
自分の見栄だけのために
動く男に対して、
愛情がなくなっていくのが
わかった。
車は実家に到着。
すぐに荷物を降ろし、
実家で一息ついた。
ソファーに座りながら父は
義父へと電話を
かけているようだった。
父
「お久しぶりです。
突然ですが、うちの娘が
お宅の息子さんと離婚を
すると言っています。
奥様と息子さんに
散々酷いことを
されてきたようでして…」
義父に
これまで私が義母と夫に
されたことを
一部始終話し始めた。
義父
「妻と息子が
大変失礼なことを…
申し訳ございません。
二人にはしっかりと
責任をとらせます」
話を最後まで聞いた義父は
義母とケンジがした事を
知らなかったらしく
とても怒っていたみたい。
電話を切った父は、
義父の事を責めないで
欲しいと言ってきたが、
義父を責めるつもりは
更々なかった。