里帰り出産から帰ると義母がマンションを乗っ取っていた【6話】

 

聞くのもバカくさくて

義母が話してる途中で

玄関から出た。

車に乗った時、

2人そろってため息を

吐き出してしまった。

 

 

「まったく…

あんな人だとは

思っていなかったよ」

 

「本当…すごい人だよね。

全てが自分の思い通りに

なるって

思ってるんだから…」

 

「話が飛躍しすぎて

驚いたな…」

 

「義実家では

猫を被ってるから、

言ったところで

信じてもらえないと思って

2人にははっきり

言ってなかったんだ。

お父さんたちには

話してたけど、

想像以上だったでしょ?」

 

父は実家へと

引き返してくれた。

道中、私が母に連絡をして

事情を話すと、

「気を付けて帰ってきてね」

と、声をかけてくれた。

ケンジにも実家に帰ると

伝えようとした時、

ちょうど電話がきた。

 

ケンジ

「おい!

今どこにいるんだよ?

母さんから出ていったって

聞いたんだけど?

何してんの?」

 

「実家に戻るところよ」

 

ケンジ

「は?何でだよ」

 

「お義母さんに

追いだされたから。

ていうか、あなたは

何していたの?」

 

ケンジ

「買い物だよ」

 

「迎えに来れなくても、

買い物はできるんだ」

 

ケンジ

「母さんに

頼まれたんだよ」

 

「帰る時間連絡したよ?

何で迎えに

きてくれなかったの?」

 

ケンジ

「それは…」

 

いつも、自分に都合が

悪いことがあると

黙ってしまう…

面倒臭いことには

巻き込まれたくないから、

『我関せず』

なスタンス。