義兄
「俺たち、録音で
おふくろの暴言を聞いてる。
誰がどう聞いても、
キヌ子さんに非なんかない。
おふくろが100%悪い!
そもそも、
嫁や孫の健康を願うのなら、
精神的に追い詰めたりはしない。
おふくろのは
思いやりを口実にした
嫌がらせでしかないんだよ!
俺やトモヤにとって妻は大事な家族だ。
外見を嘲って喜んでイビる人とは
もう話すことはない」
義兄が電話を切ろうとすると、
義父が「変われ」という
ジェスチャーをした。
スマホからは義母が
半狂乱になって泣いている声が
聞こえている。
義父
「お前、小学生のトモヤが
【同級生のお母さんは
優しくて美人でいいな】
と口にした時、
何をしたか覚えているか?」
義母
「あなた!?何よ急に。
そんな昔のことを
覚えているわけないでしょ!」
義父
「お前はトモヤの頬を
張り飛ばしたんだ!
【よそのお母さんと比べるなんて
そんな子に育てた覚えはない!】
…とな」
夫は驚きながら
トモヤ
「おやじ…。
そんな昔のことなのに覚えてたんだ…」
と、呟いた。