私
「私、義母さんの
こんな姿を見たくないです…」
演技で
ちょっと掠れた声を出す私。
この日は義父を偲ぶことを
名目とした食事会。
当然義父方の親族もいる。
冷たい視線、呆れた声、
様々だったが、義母は一気に
見放されてしまった。
そんなわけで、食事会は中止。
潮が引くようにみんな、
帰ってしまった。
玄関で見送ると、みんな私に
励ましや労りの
言葉をかけてくれる。
夫と義母のことは
まるっと無視してた(笑)
これで反省するかと思ったら
甘かった。
親戚たちが家から
立ち去ったとたんに
息を吹き返す義母と夫。
義母
「ちょっと!トウ子さん!
あなた一体何を考えているの?
みんなの前で大恥を
かかせるなんて
どういうつもりなのよ?」
夫
「そうだそうだ!
これからどんな顔をして、
親戚づきあいを
すればいいんだよ!?」
と喚く喚く
反撃のゴングが頭の中で
鳴り響く私。
私
「恥ってなんですか?
嫁いびりを嬉々と
してやっていたのは
義母さんですよね?
しかも、不慮の事故で
亡くなってしまったお義父さんに
対して、それが棚ぼただなんて
言い種をするなんて…
あんまりです!
そんな人と一緒に
暮したい人なんて
いると思います!?」