とはいえ、うちには
小さい子供がおらず、
大人3人分の掃除・洗濯なんて
午前中には終わるから、
大したことなかった。
そんなモヤモヤを
解消するように、庭で
トレーニングに勤しんでいると、
門扉から
義姉
「トウ子さん、こんにちは」
と義姉から声が掛かった。
ちょっと恥ずかしかった…!
だって義姉ってば、いかにも
育ちのよさそうなお嬢さんが
そのまま大人になったって
感じの人なんだもの。
大和撫子って感じの
美人なんだけど、
優しくて気遣い上手。
私ともすごく仲良くしてくれて、
「ああ、お姉ちゃんがいたら
こんな感じだったのかな~?」
って私の理想の姉像を
具現化したような人だ。
そんなキラキラしい義姉に、
ガチトレーニングを見られて、
羞恥心を覚えるのは必然だろう。
私は少し引いてしまった
義姉に気づかないふりをして、
居間でお茶を出した。
一口お茶をすすると、
義姉はおもむろに問いかけてきた
義姉
「ねえ、トウ子さん。
義母さんから
意地悪をされていない?」
私は驚いた。
だって、つい先ほども
その件で
モヤモヤしていたんだもの。
これまであんなに
いい人だった義母さんが
そんなことをするはずがない。
けど…と逡巡していたし、
誰にも打ち明けられなかった。