モラハラ

我が子に暴言を吐く夫と離婚した結果【6】

 

「え…?

……もしかして…?」

 

私は相手の姿を

まじまじと見つめて、

ようやく誰だか判断がついた。

 

元夫だ…

 

結婚していた当時より、

ゆうに15kgは肥大していて

咄嗟に同一人物とは

わからなかったのだ。

 

元夫

「ちょっ、ちょっ!

その子って、俺たちの子?

 

えっ!うわー!マジかよ!?

めちゃくちゃ可愛いじゃん!

美少女ってやつだな!」

 

私が手を繋いで歩いていた

エマに食いつく元夫。

 

生後数か月の時に元夫が

「ブス、不細工」と貶していた

エマは、今や通りすがりの

女子高生たちからも

 

女子高生1

「っやだ、あの子見て!

ヤバ~い!」

 

女子高生2

「キッズモデルかな?

めちゃくちゃかわいー♪」

 

とキャッキャと騒がれる程度には、

誰が見ても

可愛らしい顔立ちになっていた。

 

ただ、エマ本人は赤ちゃんの頃に

会って以来の元夫の勢いに飲まれ、

私の手をギュッと強く握って来た。

 

「ちょっと、近すぎ。離れてよ

エマがビックリしてるじゃない」

 

元夫

「は?なんだよ、水臭いな。

俺はこの子の父親なんだぞ」

 

私達がそんなやり取りを

しているところ、

私の背後から柔らかい男性の声が

掛かった。