私
「いいえ、全く。
今回、タケヒサさんを
刺したのは彼の交際相手です。
私とは何の関係もありません。
タケヒサさんが刺されたことと
浮気の慰謝料は
相殺になりませんから。
あ、支払期限は
こちらに記載していますので、
滞りのないよう
お願いしますね。
タケヒサさん本人ではなく、
ご両親が支払うのでも
私は構いません」
私は言いたいことを
言わせてもらった。
鬼だか悪魔だとか
私を罵っていたような
気もするけど、聞こえなーい。
逮捕されたメイサの
両親にも内容証明を送り、
慰謝料の
請求をさせてもらった。
その後の私は両親の元に戻り、
療養をしながら
暮らすことになった。
アパレルの職場に復帰した
ものの手術と投薬に
より体力は低下、
また、定期的な検診もあって
仕事に穴をあけることが増え、
このままでは
迷惑になると考え、
退職を選んだ。
病気を抱えながらの
求職活動は、正直
楽ではなかった。
そんな頃、病室に
迷い込んできたナナちゃんの
ママから、近況を
尋ねる連絡が入った。
私は気分転換を
兼ねて会うことに。
久しぶりに会った
ナナちゃんママは、
相変わらずの美人だった。
体調もほぼ元に戻り、
日常生活を問題なく
送れているという。
ナナちゃんも元気に保育園に
通っていると話していた。