モラハラ

病気が見つかり夫に見捨てられた私【9話】

 

あの日、ママが大部屋に

移動したことに気づかなかった

ナナちゃんは見知らぬ

他人がママのベッドにいて

とてもビックリしたそうだ。

 

そして今日は

ママの退院の日で、

私に母子揃って会いに

来てくれたということだった。

 

楽しい時間は

あっという間に過ぎ去り、

お別れの時間。

 

ナナちゃんママは

私に差し入れを渡してくれた。

 

その中にはナナちゃんママの

名刺もあり、私はそこに

記載されていたアドレスに

さっそく

お礼のメールを送った。

 

数日後、私にも

退院の日が訪れた。

 

前日から元夫に荷物を取りに

行くと連絡を入れていたが、

うんとも

すんとも返ってこない。

 

両親が私を迎えに来た頃に

なってもなしのつぶてだった。

 

両親は、

 

「何度も連絡を

入れているのだから、

さすがに承知しているだろう。

荷物がなければ

どうにもならないのだし、

とりあえず行こう」

 

と元夫宅へ

荷物を取りに行った。

 

玄関前では元夫の

携帯に電話をいれた。

それでも応答なし。

まだ鍵は持っていたため、

それで玄関を

開けて入らせてもらった。

 

私は一度、玄関先で

両親に待ってもらい、

1人で中に入った。

 

玄関付近にはダンボールが

いくつも積み重なっており、

乱雑な文字で「キヌ子」と

私の名前が書いてあった。