ナナちゃんが再び
病室に現れたのだ。
今度は笑顔で。
そして、小さな折り紙と
お手紙を渡してくれた。
ナナ
「お姉ちゃん、
しゅーつ頑張ったねぇ」
そう言って背伸びをして
私の頭を撫でてくれた。
折り紙はどこか
いびつだったけれど、
一生懸命に心を込めて
折ってくれたことがわかった。
お手紙はなんと、ナナちゃんと
ママからの
応援メッセージだった。
てっきりナナちゃんのママは
天国へ…と思っていたけれど、
それは私の早とちり。
ナナちゃんのママは個室から
大部屋へ移動しただけだった。
これほど嬉しい勘違いはない。
ナナちゃんの折り紙を撫でて、
お手紙に目を通していると
病室のドアが遠慮がちに
ノックされた。
ナナちゃんママ
「すみません、
娘がお邪魔していませんか?」
ナナ
「ママー。お姉ちゃん、
しゅーつ成功だって。
折り紙と
お手紙渡してたのよー」
ナナちゃんが笑顔で答えると、
女性は静かに入室してきた。
ナナちゃんママ
「すみません、
先日も娘がこちらにお邪魔して
しまったようで」
私
「いいえー。いろいろあって
塞ぎがちだったので、元気を
たくさんもらえましたよ」
ナナちゃんママは同性の
私でも思わず目
を見開いてしまうほど、
すらりとした美人だった。
私は早合点を心の中で
謝罪しながら、
2人とおしゃべりを始めた。