マナミ
「とにかく、見ての通り
お兄ちゃんはいないの。
ここでぼさっとしてたって、
仕事は勝手に
終わってくれないよ?」
義母
「マナミの
言う通りだよw」
まあ、私もここで
立ち尽くして、嫌味攻撃を
されるがままになるよりは、
作業していた方が
まだ気がまぎれる。
はいとだけ短く返事をして、
和室に戻った。
昼から始めた
タンスの移動は、
夕方の6時にやっと終わった。
畳を傷めないように、
じりじりと動かし、
ごちゃごちゃになっている
服を伸ばして、
アイロンがけ。
きちんと整頓が
終わった時には、もう足腰が
立たない状態だった。
夕食は、
マナミが作るという。
てっきりやらされると
思ったが、
ぞうきんを持たされた。
玄関とトイレを
掃除しろというのだ。
…今から。
マナミ
「あんたの手料理は
いらない。
口に合わないと思うし、
変な物とか混ぜられたら
嫌だし。
お母さんの
好物作ってあげるねー。
ちゃんと買い物
済ませてきたからね」
義母
「さすがマナミねえ。
気が利くわ」
マナミ
「そりゃあ、
私だもん。
誰かさんと違って、
このくらいはね」
義母
「ほんと、誰かさんは
気が利かないよ。
今だって、ぞうきん持って
ぼさっとしてるんだから」
追い立てられるようにして、
玄関へ行かされた。