コウスケ
「確かに、ちょっと
びっくりしたよ。
初対面であんな態度は…」
私
「本当に…。しかも、
私たちが着いたばかりなのに」
娘
「ママ、おばさん怖かった…」
私
「大丈夫よ。ママがついてるから」
コンビニでコーヒーを買い、
車で実家に戻る。
玄関前で深いため息をつき、
もう一度家に入る心構えをする。
コウスケ
「大丈夫。
俺たちがついてるから」
私
「…ありがとう。行きましょう」
リビングに入ると、
両親と弟が勢揃いしていた。
父
「おぉ!トウ子!
久しぶりだなぁ!」
ヒロヤ
「姉ちゃん、
相変わらずキレイだな」
大げさすぎる歓迎に、
首筋が寒くなる。テーブルには、
豪華な料理が並んでいた。
何かおかしい…。
そう感じながらも、
家族との再会を果たした。
10年ぶりの帰省は、
想像もしなかった
展開を迎えようとしていた。
コーヒーを手に、
再びリビングに足を踏み入れる。
両親と弟が笑顔で
私たちを見つめている。
母
「あら、遅かったわね」
私
「え?あ、ごめんなさい。
アキノさんにコーヒーを
買ってきてって…」
その一言で、家族全員の
表情が一変した。
父
「アキノ!お前…!何てことを…」
ヒロヤ
「おい、アキノ!
姉ちゃんに何させてんだよ!」