私
「あなた…
ち、ちょっと話が
あるんだけど…」
夫
「なんだ?」
私
「あの…ごめんなさい。
祖父の風邪が父に移って、
母がこっちに
来られそうにないの」
ヒュウガの表情が
曇るのが見えた。
夫
「…は?風邪?
せっかくの機会だったのに
…ふざけんなよ!!」
私
「ごめっ…そうだよね。
本当に勿体ないよね」
私は少し間を置いてから、
慎重に続けた。
私
「それでね、
提案なんだけど。
私と息子は家で
留守番をしてるから、
あなたは誰かお友達を
誘って行ってくれる?」
最初は楽しみにしていた
ツナツナ邸がなしになるかもと
不機嫌そうだった夫も、
私の代わりに誰かを
誘ってほしいという提案に、
急に顔色を良くした。
夫
「おう!いい代替案だな!」
私
「うん、せっかく
予約したんだもの。
無駄にしたくないし」
夫
「そうと決まれば早速…
今からでも
行きたい奴はいると思う」
夫は急に元気になり、
スマートフォンを取り出した。
夫
「悪いな、キヌ子w
お前たちだけで留守番させて」
私
「ううん、大丈夫よ」
夫
「そうだ、お土産だけは
買てきてやるからなw」
一気に気を良くした夫は、
上機嫌でお土産の約束までして
出勤していった。
夫が家を出た後、
私はすぐに探偵のジロウさんに
連絡を取った。