浮気

帰宅すると夫と夫の親友の奥さんが…とある場所へ連行した結果【17話】

 

玄関を開けると、

静寂が漂う家の中に違和感が

広がった。

ヒトシが小さく呟いた。

 

ヒトシ

「ああ…ミキの靴」

 

脱ぎ捨てられた

ミキのハイヒールが、

玄関に無造作に置かれていた。

 

その光景に、私は心の中で

冷ややかに思った。

どれだけ

我慢できないのだろうか。

 

リビングには2人の姿はない。

 

ということは、やっぱり…

私とヒトシは

無言で視線を交わし、

息を潜めて

2階の寝室へと向かった。

 

階段を上がるにつれ、

かすかに漏れ聞こえてくる声。

あの声だ。

 

私とヒトシは

再び目を合わせ、

深く頷き合った。

 

ヒトシが合図を送ると同時に、

私たちは勢いよく

寝室のドアを開けた。

 

ミキ

「いやぁああああああ!」

 

「わぁああああああああ!」

 

あからさまに

親密な状況だった。

 

夫とミキは、突然開いたドアに

驚いて絶叫した。

 

シーツを掴んで

必死に体を隠そうとする2人。

その姿は滑稽で、

同時に哀れだった。

 

ヒトシは一瞬言葉を失い、

顔をしかめた。

 

そして、深いため息の後、

声を張り上げた。

 

ヒトシ

「そこを動くな!

今度という今度は

絶対に許さない!」