モラハラ

私の容姿を馬鹿にする夫【9話】

 

私は夫を無視して家に

上がろうとしたけれど、

夫は通せんぼしてくる。

 

「下半身のお世話、だと!?

あいつは世話係じゃない、

俺の本命だ!」

 

「I know.」

 

「へ?」

 

「だから知ってるってば」

 

「なら話は早い!

とっとと出て行け」

 

「Roger!」

 

「え?今なんて」

 

「だから出てくってば。

ソコ、通してよ。

私の荷物くらいは

持ち出させてよ」

 

夫の横をすり抜けて

クローゼットから

キャリーケースを持って

玄関に再び現れた私を見て

夫はポカン。

 

「あの、っえ、準備万端?」

 

自分で出て行けと

言ったくせに、

驚いているって何事よ。

 

「そうだよ。

必要なものはもう既に

別の場所に移してある。

それにも

気づいてなかったんでしょ。

それだけ私に対して興味がなく

なってたってことだよね。

よーくわかった。

じゃ、

サリイちゃんとお幸せに」

 

二の句が継げない夫を

無視して、私は家を出る。