『子どもが産めないなんて女失格』と行く度に言ってくる義両親【5話】

 

「お待たせしました。

簡単なものですけど…」

 

義父

「お、うまいじゃねーか!

キヌ子さんが作ったのか?」

 

「はい」

 

義母

「それ作ったのは私よ!

私!キヌ子さんに

作り方を教えたんだけど、

うまく作りゃしないのよ!

この人ww」

 

義父

「なんだ大丈夫なのか?

子どもにうまい飯を

作ってやらないんじゃ、

母親として不安だな」

 

義母

「そもそもいつ孫の顔を

見れるかもわかったもんじゃ

ないしねぇ~」

 

虐げる義母。

それが当然のように

振る舞う義父。

そして何も言わない義兄。

 

この家族は全員が歪んでいた。

(リュウジ早く帰ってきて…)

とその時は心の中で

呪文のように唱えていた。

 

またそれと同時にリュウジは

この家族全員の優しさを

全て引っこ抜いて

生まれたのか?

と思ってしまうぐらいに、

今の状況との落差に苦しんだ。

 

「ただいま~!!!

悪い!遅くなった!」

 

義母

「おかえりリュウジ!」

 

「おかえり!リュウ…」

(痛っ!)

 

玄関に響いたリュウジの声と

共に開いたリビングの扉。

 

私は願っていたリュウジの

帰宅に内心舞い上がりながら、

お出迎えしようと

立ち上がったとき、

同時に義母も立ち上がり、

私の足を踏みつけた。