私
「お待たせしました。
簡単なものですけど…」
義父
「お、うまいじゃねーか!
キヌ子さんが作ったのか?」
私
「はい」
義母
「それ作ったのは私よ!
私!キヌ子さんに
作り方を教えたんだけど、
うまく作りゃしないのよ!
この人ww」
義父
「なんだ大丈夫なのか?
子どもにうまい飯を
作ってやらないんじゃ、
母親として不安だな」
義母
「そもそもいつ孫の顔を
見れるかもわかったもんじゃ
ないしねぇ~」
虐げる義母。
それが当然のように
振る舞う義父。
そして何も言わない義兄。
この家族は全員が歪んでいた。
(リュウジ早く帰ってきて…)
とその時は心の中で
呪文のように唱えていた。
またそれと同時にリュウジは
この家族全員の優しさを
全て引っこ抜いて
生まれたのか?
と思ってしまうぐらいに、
今の状況との落差に苦しんだ。
夫
「ただいま~!!!
悪い!遅くなった!」
義母
「おかえりリュウジ!」
私
「おかえり!リュウ…」
(痛っ!)
玄関に響いたリュウジの声と
共に開いたリビングの扉。
私は願っていたリュウジの
帰宅に内心舞い上がりながら、
お出迎えしようと
立ち上がったとき、
同時に義母も立ち上がり、
私の足を踏みつけた。