浮気

娘の誕生日をすっぽかし家を出ていく夫…【3話】

 

一旦、仕事から

帰宅してもすぐに、

 

「店の手伝いに行く」

 

と言って、日付が

変わるまで帰ってこない。

 

休日も、

 

「人手が足りないらしい」

 

と言って、やはり外出。

 

家族で映画を

見に行く約束をしていたのに

すっぽかされたこともある。

 

仕方なく娘と2人だけで映画を

見ることにした。

 

シズク

「まあ、友達が

困ってるなら助けてあげるのも

仕方ないよね」

 

「シズク、あなた…」

 

シズク

「しょうがないよ。

 

それよりお母さん、

今日はポップコーンの他に

ホットドッグも食べて良い?」

 

中学1年生ってこんなに

物わかりがいいものだろうか。

 

ちゃっかりとフードの

おねだりはしつつも、

半ば諦めたような

娘の笑顔に胸が痛んだ。

 

ただの休日なら埋め合わせも

できるかもしれない。

 

けれど、シズクの13歳の

誕生日はたった1回だけだ。

親なら何よりも優先しなくては

いけないはずなのに、

それを元カノの

店の手伝いだなんて…!

 

私が噴火しそうになったのを

察したのか、

サッとシズクが割って入った。