一旦、仕事から
帰宅してもすぐに、
夫
「店の手伝いに行く」
と言って、日付が
変わるまで帰ってこない。
休日も、
夫
「人手が足りないらしい」
と言って、やはり外出。
家族で映画を
見に行く約束をしていたのに
すっぽかされたこともある。
仕方なく娘と2人だけで映画を
見ることにした。
シズク
「まあ、友達が
困ってるなら助けてあげるのも
仕方ないよね」
私
「シズク、あなた…」
シズク
「しょうがないよ。
それよりお母さん、
今日はポップコーンの他に
ホットドッグも食べて良い?」
中学1年生ってこんなに
物わかりがいいものだろうか。
ちゃっかりとフードの
おねだりはしつつも、
半ば諦めたような
娘の笑顔に胸が痛んだ。
ただの休日なら埋め合わせも
できるかもしれない。
けれど、シズクの13歳の
誕生日はたった1回だけだ。
親なら何よりも優先しなくては
いけないはずなのに、
それを元カノの
店の手伝いだなんて…!
私が噴火しそうになったのを
察したのか、
サッとシズクが割って入った。