義実家も、私の実家からは
徒歩20分ほどの近い距離。
わざわざ嵐の中、
足を運んでくれた。
シゲトも、車で向かっている時、
私たちがいないかを確認しながら
進んできたが
私たちの姿はどこにもなかった。
と、実家に報告した。
その言葉は場の空気を
さらに重苦しいものにした。
夫
「すみません…
俺がもっと強く止めるべきでした。
まさか、こんな事になるなんて…
トウ子…どこにいるんだよ…」
母「…どこかのお店で雨宿りとか
してくれてたらいいんだけど…
心配ね…なぜトウ子はこんな嵐の中
家を出たのかしら…」
義母
「そうよね。心配だわ…
それにあなた、トウ子ちゃんと
離婚するって…どういう事?」
夫
「実は、些細なことで
口論になって…それでトウ子が
実家に帰ると言い出した次第で…」
母
「些細な口喧嘩?じゃぁ、
離婚ていうのも、売り言葉に
買い言葉ってことかな?
そんな些細な口喧嘩で本当に
離婚するわけじゃないものね。」
夫「えっ!いや、その…
なんていうか…」
しどろもどろになったと
思えば大声で
夫
「あぁ!!あの時俺がもっと
ちゃんと引き留めておけば!
すみません…
冷静になればすぐに
帰ってくると思ってたんです。
まさか、こんな…取り返しの
つかないことになるとは…」
悲劇のヒロイン並みに
泣き崩れるシゲトを、
ただ見ているしかない両親たち。
と、もう一人…。