ユウジが住んでいる家は、
まさに豪邸だった。
ここは東京ではない。
しかし100坪は下らない
敷地面積、
手入れが行き届いた庭、
立派な洋館仕立ての
二階建て家屋。
どう見ても「豪邸」以外の
何物でもなく、
地方であっても維持は
大変だろう。
驚いて、
息をのんでいる私に、
ユウジは笑いかけて来た。
ユウジ
「なぁに、
親父の持ち物だ」
私
「お父様の!?
あの…それじゃ」
もしかして同居!?
一瞬不安にかられた
私を見て、
ユウジはトレードマークの
豪快な笑い声をたてた。
ユウジ
「大丈夫、大丈夫。
うちの両親とは
同居しなくていい」
((?両親…「とは?))
言葉には出さなかったが、
少し引っかかる
言い方だと感じた。