上司の様子から、
ただならぬ雰囲気を察した
元同僚たちも、不穏な空気に。
ここまで来たら仕方がない。
私は先ほどまでのやりとりを
みんなに説明した。
もう諦めたのか、説明の間、
夫は肩を落として心ここにあらずと
いった状態だった。
同僚たちは
信じられないという顔をする者、
呆気にとられるもの、
夫に対して怒りを抑えきれない者と
様々だったが、
全員が私に同情的だった。
同僚1
「…トウ子さんが
仕事を辞めるのって、
ユウヘイ君の希望で…だったよな?
もしかしてお金で言うことを
聞かせるためだったのか?」
同僚2
「子どもができる前は
家の外と中で分業できても、
子どもができたらトウ子の
負担だけが増えるだけじゃない。
まったく育児にも家事にも
協力する気がないだなんて!」
上司
「しかも社内不倫って!?
奥さんの里帰り中に浮気相手と
新婚ごっこ!?
あなた…一体何考えてるの?
意味がわからない!最低すぎる!」
と、男女問わず夫に対して
避難囂々だった。
その勢いに押されて夫は
もう小さくなって
平謝りするしかなかった。
同僚たちは私に励ましの言葉を、
夫には軽蔑の視線をくれて
病室を後にした。
ここまでたて続けに
叩きのめされて、夫のメンタルは
ボロボロ。