私もできるだけ家のことは
一生懸命に
やるようにしていたけれど、
身重の体では限界がある。
とうとう、切迫流産の
危険があると
病院から告げられてしまった。
双子の妊娠は胎児1人の場合と
比べて、ただでさえ
流産・早産の危険が高いらしい。
大事を取って休むことを医者に
きつく言い渡されてしまった。
そのため、両親とも相談をして
里帰りを決めた。
夫は、
夫
「里帰りはしかたない。
だけど、サボりを覚えて
帰って来るなよ。
帰ってきたら、掃除も洗濯も、
料理もこれまでと同じに
きちんとしてもらうからな!」
という、
思いやりの欠片のないことを
言って私を送り出した。
送り出した、というよりも
放り出したという方が
適切な態度だった。
実家では父母が全面的に
協力してくれたので、
順調にマタニティライフを
送ることができた。
そのうち、医者からも
「もう大丈夫」
と言われるほど、状態も安定した。
いくら実家とはいえ、
引き籠り状態では
精神的に良くない。
そう思って、私は近所の
公園にちょくちょく散歩に
行くようになった。
子供の頃はここで
駆け回って遊んでいたっけ…。
懐かしい思い出に浸っていると、
背後から声を掛けられた。
マサト
「もしかして…トウ子?」