ミチルさんは必死になって
涙目で反論してくる。
なにをいまさら…。
ごめん、でも許さんので。
私
「頼れるだなんて…、
微塵も思っていないでしょ?
お父さんお母さん、それにマサヒロ。
確認して欲しい動画があるの」
そう言って私はスマホを取り出した。
先日ミチルさんが
マンションに訪問してきた時の
有様を流した。
実は、私はマンションで
猫を飼っている。
留守がちなので、見守り用の
カメラを設置している。
マイクも後付けしており
愛猫の様子をいつでもスマホで
チェックできるようにしているのだ。
先日ミチルさんが来たとき、
家に上げる前に片付けと称し、
カメラの調整をしていたというわけ。
音量MAXで流れた動画の内容に、
弟は絶句。
弟
「まさか。
ミナトを使って金を…だと?」
…と、ようやく絞り出すように言った。
両親も啞然。
弟の顔は次第に怒りで
真っ赤になっていった。
私は、初めてミナト君に
会いに行った時のことも併せて報告。
そして録画しきれていなかったが、
玄関先でいきなり
【顔を見たから5,000円】を
要求されたことも包み隠さず話した。