私
「アオイ…
今までお父さんのために
いくら送金したの?
最初は3万円だったわよね?」
アオイ
「うん…。
あの後すぐに5万円になって、
次に8万円…
この前は10万円だった」
娘の手取りの半分を寄こせって…
私は夫の信じられない行動に
眩暈がした。
アオイは
嘘をつくような娘ではない。
アオイ
「お父さんに言われるまま、
お父さんの口座に入金してたけど、
お母さんの口座に
すればよかったかな…」
しょんぼりと落ち込んだ娘の声に、
私の心は痛んだ。
そして当然だが疑問に思う。
一体それだけの金額を、
夫は何に使ったのだろうか。
そういえば最近の夫からは、
タバコやお酒のニオイがしたり、
逆に華やかなシャンプーか
ボディーソープのようなニオイが
漂ってくることがあった。
私は散歩のついでに居酒屋で
昼間から飲んだり、
銭湯にでも行っているのかと
思っていたけど…。
私
「アオイ、ごめんね。
もうお父さんからお金を欲しいと
言われても無視していいから。
あなたは
結婚の準備に力をいれなさい」
私はそう言って
娘との会話を終わらせた。