モラハラ

働けないと同情を誘い娘から金をせびる夫【2】

 

私は今まで夫が働いていた分も

カバーしなくては、

とスーパーのパートタイムで

一生懸命に働いた。

レジ打ちや品出し、在庫管理に

棚卸など、たかがスーパーの店員と

いえども業務は多岐にわたる。

 

フルタイムで週5日となると、

ほとんど社員と変わらない働きを

求められてくる。

それが大変と感じることも

少なくないが、やりがいだと

思えるくらいには、

私はこの仕事が好きだ。

 

私が仕事の充実感を得ている一方、

夫は会社に休職を

申し入れて受理された。

私が仕事をしている日中は

新聞やテレビを眺めて

過ごしているらしい。

 

そうやってゴロゴロ過ごし始めて

1週間ほどで、

夫は外出をするようになった。

 

なぜわかるのかというと、

私が夕方に仕事から帰ってきても

家にいないことが結構な頻度で

続くようになったからだ。

 

私は気晴らしに散歩に

出ているのかと思って

気にも留めていなかった。

外の空気を吸って体を動かす。

疲れきった心と体に、

これほど良いことはないだろう。

 

自堕落に過ごしていた夫が

少しでも行動しようとしているのが

嬉しくもあった。

そんなある日、娘のアオイから

電話があった。

 

アオイ

「もしもし、お母さん?

お父さんは今どうしてる?

少しは良くなった?」

 

私は驚いた。社会人になって

間もない娘に心配を掛けまいと

夫の不調について娘には

知らせていなかったからだ。