半ばパニックになって焦る私をよそに
ユリエは、
ユリエ
「ねえ!別れてよ!ねぇねえ!!」
と、鬼気迫る勢いで詰め寄ってくる。
冷静になった私は、
スマホの撮影機能を
ユリエにバレないように起動させた。
私
「あの、もしかして…私の夫と
お付き合いされているんですか?」
と、誘導尋問を仕掛けてみた。
ユリエ
「そうよ!
もう5年にもなるのに、トウマったら
子供がいるからって別れてくれないの。
レン、レンって
そればっかり言い訳にするの。
フフフ…。
あなたの名前なんて
一度も出てこないのにねぇ?」
と、勝ち誇ってベラベラ喋る。
ユリエ
「子供がいなきゃ、あなたなんて
トウマを繋ぎ留められないのよ。
夫に愛されないって、
どんな気持ちなのかしらぁ?」
嫌ぁな笑い方をしてくる。
この女、危険だ。
何より息子に矛先が向きかねない。
穏便にお引き取り願うべく
私
「そうでしたか。
なにぶん私一人では即答できません。
夫が帰って来ましたら、
必ず話し合いますから」
と、ユリエをなだめて帰ってもらった。