浮気

優しいマイホームパパの裏の顔… 【2話】

 

「ねえ、トウマ。この
 
タオルハンカチどうしたの?」

 

 

トウマ

「え?」

 

 

こちらに目を向けた夫は

明らかに挙動がおかしくなった。

 

 

トウマ

「か、かいしぁの
 
同僚を乗せた時に
 
落としたのかもしれないなぁ」

 

 

私はピンときた。

これは嘘をついている。

「会社」を噛んでるし。

夫は嘘や誤魔化しをすると

すぐに表に出る人で、

言葉を噛む、というのも

その時に出る癖の一つだった。

そもそも、夫の部署で

一緒に外回りをする人は男性ばかりだ。

ピンク色のタオルハンカチで

可愛いパンダの刺繍が入った

明らかな女性ものなんて、

まず使わないだろう。

私は、

 

 

「あら、そうだったの?
 
洗濯しておくから、

その方に返してあげてね」

 

 

かるく流し、普通に

アスレチックを楽しんだ。

ドラマや漫画で見たから、

私は知っていた。

車にあからさまな

女性物を残していくのが、

浮気相手から本妻への

挑戦状だと言うことを…!

モヤモヤしたものを

抱えていられない質の私は、

深夜夫が寝静まったタイミングで

スマホチェック。

やり取りの頻度が多く、

私が知らない女性がいた。

この人が浮気相手で間違いがなかった。

家族サービスがマメな夫が、

いつ浮気をしているのか

正直疑問だったが、

その理由もわかった。

ちょうど仕事の配属先が変わったとかで、

残業をし始めた頃だった。