嫁いびりが大好きな義母が親戚の集まりで『まずい料理作るな!』と、料理を捨てた結果… 【12話】

 

ほとんど自暴自棄(じぼうじき)になって、

私は献立に取り組んだ。 

考えつく限りの、

身を守る手段は講じておこうと決めて。 

 

当日がきた。 

私は自宅で料理を用意していた。 

 

ややこしい話にならないよう、

父には事前に、厨房(ちゅうぼう)の

割り当てを聞いてはおいた。 

会場は持ち回り、

今回はうちの店ではない。 

別の、料理をお出しする「受け持ち家」が

経営するお店に、料理を持ち寄る。 

最後の仕上げだけは、

そのお店の厨房をお借りするのだ。 

うちの店が当番の時も、

同じことだった。 

それなら。 

 

だいたいの手順は読めたし、

私に厨房の割り当てが

無い事も分かった。 

そもそも、私の参加を、

父は知らされていないようだ。 

接待役だと信じて、

疑ってもいないらしい。 

 

実父「いつも通りだが、

当番がうちじゃない事は忘れるなよ。 

くれぐれも、失礼のないように」 

私「はい」 

 

受け持ち家は、親戚関係でもある。 

血縁として遠い近いの差はあれ、

それぞれが長い歴史を持っていて、

時には家同士のつながりのため、

婚姻関係を結んできた。