義母「キヌ子さん、お願いね」
この一言があると、私は身構える。
義母は、面倒な事や、
よく分からない事があると、
決まって私に丸投げする。
任せたのなら、
最後まで任せてくれればいいのだけど、
なぜか途中で口を出す。
要するに、指示をしたいのだろう。
ずっとそう思ってきたが、
どうも最近になって気づいた。
というか、薄々は気づいていたけれど、
認めたくなかったのが正しい。
この人、嫁いびりしている。
義母「キヌ子さん、晩ご飯をお願いね」
義母「キヌ子さん、
お手洗いのお掃除をお願いね。
それから、玄関のお飾りと、盛り塩も」
私達は同居だ。
時代に合わないのは分かっているが、
伝統というものは、
簡単にひっくり返せない重みがある。