モラハラ

余命半年と診断されたのは私だと勘違いした夫の末路【6】

 

ある日、夫の会社では

毎年恒例の健康診断があった。

夫は私に

「検査の結果はお前に連絡が

入るようにしてるから。

何かあったらしっかり教えろよ」

 

と、毎回私に丸投げ状態。

なぜ、そんなにも嫌っている妻に

重要な健康管理を全て

任せようとするのか、

理解に苦しむ。

ここ数年はなんだかんだで

要注意程度で済んでいたのだが、

この年は病院から呼び出された。

端的に言うと、余命宣告だった。

夫が再検査を

済ませていたことの方にも

驚いたのだが…。

 

 

医者

「現在では

インフォームドコンセントを

重視しています。ですが、

患者さんの性格によっては

自暴自棄になり、治療を

拒否したり悲観して自ら…

という方も

いないわけではありません。

ですので、まずは

ご家族の方に病状と治療・

緩和ケアの方針を

理解していただきたく、

奥様をお呼びしました」

 

 

とお医者様は丁寧に

説明をしてくれた。

詳しい病名やケアの方針は

ここでは控えさせて欲しい。

私も素人なので、完全に正確に

覚えているわけではないから。

ただ、夫の余命はあと

半年ほどだということだった。

正直、驚いた。

余命宣告もそうだが、

夫がいなくなるということに、

寂しさや悲しさを覚えない

自分にだ。

私の心はそこまで冷えていた。

その日の夜、

私は夫に切り出した。

 

 

「ねえ…私、

今日病院に行ってきたの」