上映会を始めると顔面蒼白になる

上映会を始めると顔面蒼白になる義両親 【1話】

 

私の名前は

トウ子35歳。

3人の子供と夫との

5人暮らしだ。

子供の年齢は上から

順番に10歳8歳5歳。

しかも全員男の子。

やんちゃ坊主ばかりで、

てんやわんやの日々を

送っている。

夫の名前はケンジと

言うんだけど、私たちが

出会ったのは

今から12年前のことだ。

当時私は大卒1年目で

右も左も分からない

新社会人だった。

その時働いていたのは

とある出版社だった。

メインの出版物は

旅行雑誌で、

あっちこっちの

お出かけスポットや

グルメ情報を載せていた。

もともと私は小さい頃から

旅行が好きだった。

両親が二人とも、

幼い頃から色々なものに

触れさせて刺激を

与えるのは良いことだ、

という考え方だったので、

休みのたびに日本全国

あちこち旅行に

連れてってくれていた。

知らない土地で知らない

文化に触れ合うのは

私にとってものすごく

有意義な時間だった。

所変われば人変わる、

とはよく言ったもの。

その土地土地で

私の常識とは全く違う

文化や歴史があって

物凄く面白かった。

そして何よりも行く先々で食べる

ご当地グルメが

ものすごく美味しくて

大人になったら

そういったものに

携われる仕事がしたいと

ずっと思っていたのだ。

大学卒業すると同時に

地元で最も

大きな出版社に就職した。