お医者さんの話によると
どちらかの体に
異常があるというわけ
ではないらしい…
出来にくいのは確かだが、
希望を捨てる段階では
ないということであった。
お医者さんのアドバイスに
従いながら、
いつか授かるのを
心待ちにしていたのだが、
結果は同じだった。
気づけばいつしか結婚して
から5年の歳月が流れ、
私もそろそろ疲れたなと
思っていた時に、
子どもを諦めざるを
得ない出来事があった。
ヨシキがあまりの激務に
疲れ果て、
体を壊してしまったのだ。
正直なところはヨシキが
勤めていた会社は
お世辞にも優良企業とは
いえず、サービス残業や
休日出勤も多かった。
おまけに社風は
完全な体育会系で
パワハラも日常茶飯事。
元々おとなしいタイプの
ヨシキは上司から、
必要以上に叱責され、
家に帰ってから
泣いていることも
何度かあった。
そしてある日のこと、
とうとうベッドから
起き上がることが
できなくなり、
そのまま退職する
ことになった。