今や私すら、息子に
向き合えていない気がする。
そんな胸の内を察したのか、
カケルはにっこり笑って
カケル
「大丈夫だって。
僕もこう見えて
忙しいんだ!」
大人を意識しているような
事を言った。
キヌ子
「そっか。
忙しいんだ」
カケル
「お母さんの
お手伝いをする時間は
あるよ。
いつでも助けるから、
頼みたい事があるなら
言ってね」
優しい気づかいを
してくれた。
ありがたい…!
息子は、子供なりに家事を
分担してくれている。
ご飯を炊いて
おいてくれたり、
メモを渡せば
買い物もこなしてくれる。
洗濯もしてくれる。
夫より、
数倍以上は家事ができる子に
育っていた。
思えば、近所の義実家が
サポートしてくれた
結果だろう。
義母は親切で、
昔ながらの
「男子厨房に入らず」主義は
完全否定派という、
話の分かる人だ。
おかげで、カケルは手伝いを
苦にしない子に
育ったと思う。